月光の中にあらわれたのは、あの石像の聖クリストファーさまで、巨大で、やさしく、頭を星のあいだにあげ、肩に幼ない子どもの石像をかついで、真夜中のお祈りにでかけるところでした。
聖クリストファーは、人々をかついで川を渡す役割を持った人です。
ある時、一人の子どもを背に川を渡りかけると、途中で子どもがまるで世界を背負っているように重くなったといいます。
そしてその子どもこそ、実はイエスさまだったことに気づくという伝説があります。
聖クリストファーさまとその肩のイエスさまが通りすぎる時、オーランドはクンクン鳴き、馬ごやからは静かないななきが聞こえました。
小鳥たちは、いっせいに目を覚まして、窓から飛びだし、聖クリストファーさまのまわりをぐるぐるまわりました。
そして、この聖者は、幼な子を肩に、うす氷のはった川を渡り、向う岸へと消えていったのです。