ルーシー・M・ボストンの名作『グリーン・ノウの子どもたち』はおすすめの本です。
わたしが一番好きな場面は、主人公の少年トーリーが宝箱をあけるところです。
宝箱の中には、みどりの布に包まれたトービーの剣もありました。
トービーはいつも日曜日に、お母さんと教会に行く時には、剣をつって正装をしていたといいます。
「トービーは、いま剣がいらないのかしら」
というトーリーの無邪気な質問に、おばあさんはつらそうにため息をついて
「死んでしまったからよ」
と答えます。
もちろん、トーリーも、おばあさんも、あの絵に描かれている昔の子どもたちが、今でも生きている筈がないことはよく知っているのです。
しかし、トーリーは、そんなことは一度も考えたこともなかったのです。
この子たちは、ペストのはやったある年に、ボギスの子どもも一緒に、みんな一日のうちに死んでしまったのです。